日本経済新聞は2025年3月14日、日本政府が北海道新幹線の札幌延伸について8年間の延期を発表し、完成予定時期が2039年3月に先送りされたと報じました。この延期の主な要因はトンネル工事の大きな課題と障壁・人手不足・そして建設資材の高騰です。

地図提供:日本経済新聞 編集:ペイシャンスリアルティ
今回の延伸区間は、北海道南部の新函館北斗駅から北海道の県庁所在地である札幌駅までの212キロメートルに及びます。
北海道新幹線の延伸は、ニセコの価値をさらに高めると期待されており、東京から倶知安駅(ニセコ)までの所要時間を約4時間半に短縮する予定でした。しかし、この延期により、その期待は大幅に減少し、東京からニセコ地域へ移動するには依然としてほぼ1日を要する状況が続くことになります。
このプロジェクトは2012年に承認され、当初の予算は約1兆6700億円(約113億ドル)と見積もられていましたが、主に建設資材の高騰により、現在では約2兆3000億円に膨らんでいます。
延伸区間の約80%は、複雑な地質条件を持つ地域をトンネルで通過する必要があります。
特に深刻な遅延が発生しているトンネルは以下の3カ所です。
渡島トンネル(北海道南部) – 2022年に地表の崩落により工事が中断され、引き続き不安定な地盤が進行を妨げています。
羊蹄トンネル(ニセコ地域付近) – 巨大な岩盤がトンネル掘削機の進行を妨げ、作業の度重なる中断を余儀なくされています。さらに新たな障害物が確認されており、さらなる遅延の可能性が懸念されています。
札樽トンネル(小樽〜札幌間) – 2024年後半に札幌側での掘削が開始されましたが、予想以上に粘土質の土壌が多く、作業が遅れています。
さらに、建設業界における深刻な人手不足が遅延を一層悪化させ、プロジェクトの進行を妨げています。
出典: 日本経済新聞電子版(全文を読むには課金が必要です)